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キスより蕩けたヒメゴトを
第3章 【真っ暗な闇に堕ちる】

(休みたい……)
教師の発言としてあるまじき事。
だがそれは仕方ない発言である。朝から気だるい気持ちを何度拭おうとしても事実は変わらない。
朝食も抜きに沙織は自宅から学校へと出発した。
彼もいるだろう、学校へ。
***
「おはよーございまーす」
「!お、おはよう」
校内に入ると朝練習だろう生徒が元気良く沙織に挨拶を交わす。
いつもなら軽やかに返し、頑張ってね。の一言位かけていたというのに 今日は。
後ろからの声かけに驚いて鞄を落としそうになった。
(……)
職員室に向かう度に鼓動が鳴って緊張し始める。
もし。もし "夕べの事"を、恵斗が誰かに話してしまったのだとしたら。
職員室の前に着くと沙織はごくりと喉を鳴らして掲げられた表札を見上げる。

