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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】

沙織はこくり、と小さく息を飲んだ。教卓の中に潜んで出るに出れない隠れた形。
(……一人じゃ…ない?)
先程から喋っているのは女生徒の様だが会話している様な素振りにもう一人の気配が、する。
ーーガタンッ!
いきなり机がぶつかる音に沙織は肩をびくつかせた。隠れなくて良いのに。むしろ今出るべきだと
思うのに。
(ど、どうしよう…!)
何をそんなに警戒するのか、彼女の中でふつふつと、何かが沸いてくる。
まるで…これからの展開を期待しているみたいな。
だけどそれは
「……ン…」
予想通りの、展開に。

