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キスより蕩けたヒメゴトを
第1章 【セピア色の二人は】

「ちょっと…待って……人が来そう…」
来そう、というか居ます。
そう心の中でツッコミつつ教卓の下に小さく縮む。
突然シンと静まる室内に沙織はひとつ、冷や汗が背筋に流れこんだのを感じた。
どうしていきなり静かになるのか。だけどそれは次第に衣が擦る音が聴こえてきて、微動だに聞こえる机の音がこの室内には大きく響く。
「…ぁ……んふ」
ーークチュ…チュッ、
沙織の耳に届く水音。シュルリと何かを解く音と共にいくら未経験な彼女も嫌でも理解した。
(が、学校で…っ!?)
先程室内で厭らしい気分になった自分を棚の上に沙織は教卓から顔を出しそうになるのを堪える。
これから始めるそれ。沙織は喉奥を鳴らし耳を立てた。

