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NOROI〜呪い〜
第9章 こけしの呪い
「ケーコ、お前ホントにぺったんこだな…胸だけオヤジさん似か?」

「失礼ね!言っとくけどウチの父さん、私より胸大きいわよ?」

「げッ、そうなのか?不憫なヤツだな、お前」

「うっさいわね〜、じゃあ触らないでよ」

「いや、まぁ嫌いじゃないんだよな〜、このなだらかさ」

「…ロリに走らないでよ?」

ケーコは背後から胸を撫でさするコータを、心配そうに振り返る。

「だいじょーぶ、今どき小学生の方がリッパな体つきしてるから」

「悪かったわね、発育不良で!しょーがないでしょ、これは『こけしの呪い』なんだから」

「はあ?」

「小学生の時に遠足で行ったコケシ寺でね、友達とふざけて転んでコケシを一体落として壊しちゃったの。それ以来、コケシ並みにツルペタなのよね」

コータはタンスの上にある端の欠けたコケシを指し、
「そういや、お前あのコケシに似てるわ」
ケーコと見比べた。

「ボブカットだからでしょ!」

「ん〜、でも可愛くて好きだよ、俺は」

「えへへ、私もコータ大好き〜」

コータに正面から抱きつき、彼の肩越しにコケシをチラリと見たケーコの口角がクッと上がる。

そのケーコによく似たコケシの目から一筋の涙が流れていることを、コータは知らない。




(終)




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