この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NOROI〜呪い〜
第11章 ラッキーカラーの呪い?
翌日のラッキーカラーはビリジアン、しかし彩は深緑色の服もアクセサリーも持っていなかった。
仕方なく一番色の近いミントグリーンのブラウスで出かける。
(今日もあの痴漢に遭っちゃったらどうしよう?)
彩は不安と期待でドキドキしながら満員電車に乗り込んだ。
さわ、さわさわ…
(き、きた!)
しかし、痴漢の手はそれきり離れていった。そして彩の斜め後ろで「あんッ」という声がして振り向くと、ダークグリーンのシュシュで髪を纏めた女性が隣の男にグッタリ寄りかかるのが見えた。
(まさかあの痴漢、私から彼女に乗り換えたの?)
彩は中途半端な気分で会社に向かう。
「最近、遅刻しなくなったね彩くん」
書類を提出するとチョビ髭上司がニッコリ笑う。
(あれ、この声…?)
「ボクの顔に何かついてるかい?」
「い、いえ…あ、今日も素敵なネクタイですね」
今までのクセで、おべんちゃらが口をついて出る。
それに満更お世辞でもなく、上司は品の良い濃い緑色のネクタイをしていた。
「そうかい?実はね、今日のラッキーカラーなんだ」
とニンマリした。
彩はハッとする。
「もしかして、昨日はパステルピンクがラッキーカラーでした?」
「うん、そうだよ。昨日は彩くんもスーツがピンクだったから同じかと思ったんだが…違ったみたいだね」
残念そうに彩のブラウスを見た。
「いえ、同じなんです!ただビリジアン色の物を何も持っていなくて…やっぱりミントグリーンじゃダメみたいです」
彩は痴漢にスルーされた時のモヤモヤした気持ちを思い出す。
「…彩くん、仕事の後は何か予定があるかい?彼氏とデートとか」
唐突に上司が訊いてきた。
「いえ、何もありません」
「じゃあ、買い物に付き合ってくれないかな?若い女の子の好みを知りたいんだ」
娘さんのプレゼントかな?と思いながら彩は軽い気持ちで承諾した。
〜続く〜
仕方なく一番色の近いミントグリーンのブラウスで出かける。
(今日もあの痴漢に遭っちゃったらどうしよう?)
彩は不安と期待でドキドキしながら満員電車に乗り込んだ。
さわ、さわさわ…
(き、きた!)
しかし、痴漢の手はそれきり離れていった。そして彩の斜め後ろで「あんッ」という声がして振り向くと、ダークグリーンのシュシュで髪を纏めた女性が隣の男にグッタリ寄りかかるのが見えた。
(まさかあの痴漢、私から彼女に乗り換えたの?)
彩は中途半端な気分で会社に向かう。
「最近、遅刻しなくなったね彩くん」
書類を提出するとチョビ髭上司がニッコリ笑う。
(あれ、この声…?)
「ボクの顔に何かついてるかい?」
「い、いえ…あ、今日も素敵なネクタイですね」
今までのクセで、おべんちゃらが口をついて出る。
それに満更お世辞でもなく、上司は品の良い濃い緑色のネクタイをしていた。
「そうかい?実はね、今日のラッキーカラーなんだ」
とニンマリした。
彩はハッとする。
「もしかして、昨日はパステルピンクがラッキーカラーでした?」
「うん、そうだよ。昨日は彩くんもスーツがピンクだったから同じかと思ったんだが…違ったみたいだね」
残念そうに彩のブラウスを見た。
「いえ、同じなんです!ただビリジアン色の物を何も持っていなくて…やっぱりミントグリーンじゃダメみたいです」
彩は痴漢にスルーされた時のモヤモヤした気持ちを思い出す。
「…彩くん、仕事の後は何か予定があるかい?彼氏とデートとか」
唐突に上司が訊いてきた。
「いえ、何もありません」
「じゃあ、買い物に付き合ってくれないかな?若い女の子の好みを知りたいんだ」
娘さんのプレゼントかな?と思いながら彩は軽い気持ちで承諾した。
〜続く〜