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NOROI〜呪い〜
第11章 ラッキーカラーの呪い?
――――…

「そんな、いただけません」

「いいから!同じ星座のよしみで受け取って欲しいんだ。まだ今日は終わってない、これを持っていれば今夜中に良いことがあるかもしれないよ?」
と、さっき買ったショールを彩に押し付ける。


断りきれずに彩はそのショールを巻き、同じ沿線だという上司と電車に乗った。

帰宅ラッシュを過ぎたせいか乗客は疎らで、三つめの駅を過ぎる頃にはその車両は二人きりになっていた。

「あ、あの…」

「なんだい、彩くん?」

「あの、手が…」

チョビ髭上司は彩のスカートを捲り、太ももを擦っている。

「ああ、今朝は彩くんがラッキーカラーを身につけていなかったからね」

「え、まさかあの痴漢…?」

「同じラッキーカラーの女を触るとお互いの運気が上がるみたいでね。昨日は彩くんも良かっただろう?」

彩は車内でイッてしまったことを思い出し、身体がカアッと熱くなった。

「さあ、彩くんの運気、上げてあげるよ…」

「あ、あああ…ッ」





―――翌日から彩はラッキーカラーを忠実に守るようになった。
妻子持ちのチョビ髭上司に毎朝痴漢されるのが果たしてラッキーなのかどうかは疑問だが…

「ああんッ…いい〜」

…少なくとも彩本人は不幸だとは思っていないらしい。



(終)



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