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NOROI〜呪い〜
第12章 続・なんこつ唐揚げの呪い
「今月もなんこつ唐揚げの日がやって来たなぁ」
あいつは珍しく素面で、白いビニール袋を持って私の部屋を訪ねて来た。
「勝手に変な日を作るんじゃないわよ」
ヤツのヘラヘラ顔と、袋から漂う揚げ物臭に胃がムカムカする。
――初めて『そういう関係』になってちょうど5ヶ月、私達は食事でも映画でも一緒に出掛けた日は必ずベッドインするようになり、二人の関係は友達からセフレに格下げになった。
他の友人からは『それって恋人じゃないの?』と言われているが私自身そう思えないのは、あいつが私に恋愛感情を持ってないと知っているから。
惚れた方が負け、とはよく言ったものだ。
だんだん気が滅入ってきた私に、
「はい、これ」
ヤツは唐突に小さなビロード張りの箱を差し出した。
「…なに?」
まさか、と思いながらも高鳴る鼓動は押さえられない。
「俺達、身体の関係は最近からだけど、付き合い長いだろ?だから、そろそろいい時期なのかなって」
私は震える手で箱を開けた。
ピューッ
間抜けな音と共に、蛇腹の小さなオモチャが飛び出す。
ポカンとする私を指差し、
「アハハハ!引っ掛かった〜今日はエイプリルフー…」
ヤツは最後まで言えなかった。なぜなら私が殴り飛ばしたから。
「二度とその顔見せないで」
今度はあいつがポカンとする番だった。
私は構わずヤツを部屋の外に放り出し、忌々しい唐揚げをゴミ箱に捨てる。
途端に目眩と吐き気に襲われトイレに駆け込んだ。
食べ物を粗末にした罰が早々に当たったのかもしれない。
私は洋式便座を抱え、追い出したばかりのあいつの声を遠くに聞きながら意識を手放した――――…
〜続く〜
あいつは珍しく素面で、白いビニール袋を持って私の部屋を訪ねて来た。
「勝手に変な日を作るんじゃないわよ」
ヤツのヘラヘラ顔と、袋から漂う揚げ物臭に胃がムカムカする。
――初めて『そういう関係』になってちょうど5ヶ月、私達は食事でも映画でも一緒に出掛けた日は必ずベッドインするようになり、二人の関係は友達からセフレに格下げになった。
他の友人からは『それって恋人じゃないの?』と言われているが私自身そう思えないのは、あいつが私に恋愛感情を持ってないと知っているから。
惚れた方が負け、とはよく言ったものだ。
だんだん気が滅入ってきた私に、
「はい、これ」
ヤツは唐突に小さなビロード張りの箱を差し出した。
「…なに?」
まさか、と思いながらも高鳴る鼓動は押さえられない。
「俺達、身体の関係は最近からだけど、付き合い長いだろ?だから、そろそろいい時期なのかなって」
私は震える手で箱を開けた。
ピューッ
間抜けな音と共に、蛇腹の小さなオモチャが飛び出す。
ポカンとする私を指差し、
「アハハハ!引っ掛かった〜今日はエイプリルフー…」
ヤツは最後まで言えなかった。なぜなら私が殴り飛ばしたから。
「二度とその顔見せないで」
今度はあいつがポカンとする番だった。
私は構わずヤツを部屋の外に放り出し、忌々しい唐揚げをゴミ箱に捨てる。
途端に目眩と吐き気に襲われトイレに駆け込んだ。
食べ物を粗末にした罰が早々に当たったのかもしれない。
私は洋式便座を抱え、追い出したばかりのあいつの声を遠くに聞きながら意識を手放した――――…
〜続く〜