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NOROI〜呪い〜
第15章 Tバックの呪い
あたしのママはシングルマザーで彼氏を取っ替え引っ替えしていて、たまにブランクがあると気が抜けてダラシなくなります。

「ママぁ、あたしのパンツがないよ」

「んん〜?あぁまた洗濯忘れちゃったぁ…洗ってあるのこれしかないけど、紐で調節できるからママのTバック穿いていきな」

「え〜?」


まだ小学生だったあたしは当然Tバックなんて穿いたことがなくて、お尻が丸出しのその下着がすごく恥ずかしくて嫌でした。

嫌だ嫌だと思っていると、そういう時に不幸はやって来るものです。

「今日は何色パンツだッ!!」

「ひッ!?」

学校の廊下で、後ろから思い切りスカートを捲られました。

相手が息を飲む気配を感じます。当たり前です、後ろからは紐しか見えないでしょうから。

(どうしよう…)
あたしは泣きたくなりました。

すると、
「大丈夫だ、オレしか見てない」
スカートを捲った張本人が耳元で囁き、あたしを追い越して教室へ入って行きます。

まるで何もなかったみたいに、彼はあたしをからかったりも誰かに言いふらしたりもしませんでした。

落ち着かない気分のまま放課後になり、あたしは自分から彼に声をかけます。

「一緒に帰らない?」

「う、うん…」


帰り道にある公園のオブジェの影に彼と入り込むと、
「ね、パンツ見たい?」
あたしの口から自然に言葉が出てきます。

彼はゴクリと唾を飲み、
「う、うん」
大きく頷きました。


スカートの裾を両手でゆっくり持ち上げると、待ちきれないのかしゃがんで下から覗き込みます。

あたしはその強い視線にキュンとして、オシッコを漏らしそうになりました。



―――その日はそれだけでしたが、彼は数年後あたしの初めての人になり、何度か"付き合って別れて"を繰り返して十年後には夫になりました。



彼は当時を振り返り、こう言います。

お前のTバックにとり憑かれたんだ、と…



(終)


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