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NOROI〜呪い〜
第24章 デブの呪縛
「すすす好きです!ぼ、ぼぼぼぼボクと付き合ってください!」

肥田(コエタ)フトシの告白に、河井イクミは笑顔で「いいわよ」と答えた。

「そ、そうですよね、やっぱりボクなんか…え!?」

可愛くて優しくて男女問わず人気のあるイクミが、まさか地味で太った自分のようなブサメンと付き合ってくれるとは夢にも思っていなかったフトシは信じられない気持ちで彼女をマジマジと見つめた。

周囲の誰もが驚く中、二人の交際は順調に進んだ。

(少しでも彼女に相応しい男になりたい)

そう考えたフトシは健康食品会社のダイエット合宿に参加し、夏休み明けには爽やかな美少年になって帰ってきた。

これでイクミちゃんと歩いても笑われずに済む、と意気揚々と彼女に会いに行くと、イクミは無言でフトシを見つめやっと口を開いたかと思えば
「別れましょう」
と言った。

「私、太った人じゃないと嫌なの。さよなら」

その後、すぐにリバウンドしたフトシは再びイクミに交際を申し込んだが、彼女は太原(タハラ)というフトシよりもデカいデブと付き合い始めていて相手にされなかった。

数年後、最年少で横綱になった太原の隣で微笑みフラッシュを浴びるイクミをテレビで見ながら、フトシはあの時痩せようなどと思いついた自分を呪いつつポテトチップスを頬張った。




(終)




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