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NOROI〜呪い〜
第6章 天狗の呪い【姉娘編】
昔々、ある山に黒い天狗がおりました。
欲求不満になると村にやってきて性的悪戯をするので、困り果てた村人達は花嫁を捧げることにしました。

白羽の矢がたったのは村一番の美人姉妹の姉娘です。
妹娘も負けず劣らず美人ですが病弱すぎるため選ばれませんでした。

嫌がって暴れる姉娘を、男衆がよってたかって丈夫な木で組んだ篭に押し込め、供物と共に山に運びます。

「お前ら、覚えてろよ!」

逃げるように山を下りる男達を、姉娘は口汚く罵りました。

あまりの性格の悪さに、天狗は
(花嫁だと言うておったが、この女を厄介払いしたかっただけではないか?)
と、村人達の本音をアッサリ見抜きます。

しかし、いくら乱暴者とはいえ若く美しい娘は大好物です。

天狗は頑丈な篭を素手で壊し、姉娘を寝所に連れ込みました。

怪力で姉娘を押さえつけて犯そうとした天狗ですが、ふと彼女の視線に気づきます。

「なんだ、ワシのマラが大きすぎて恐ろしいのか?驚くのも無理はない…」

「ちっちゃ!!」

「なん、だと…?」

「小さくて可愛い!ぷくくくッ」

姉娘の嘲笑に、天狗は怒り震えます。

―――ちなみに天狗の名誉のために申し上げますが、決して彼のマラは小さくありません。ただ、立派すぎる鼻が娘の目の前に突き付けられているせいで小さく見えてしまうだけなのです―――


「な、なんとふしだらな…もしや生娘(きむすめ)ではないのか?汚れた女ならば食ってしまうぞ」

「と、とんでもございませぬ、野猿のオスを見たことがあるだけですわ、ほほほ、ほ…」
背筋がヒヤリとして、咄嗟に嘘を吐きます。実は遊び人の与作とデキていたのです。

(本当のことが知れたら殺されてしまう!)

姉娘は死に物狂いで知恵を働かせます。



〜続く〜


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