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ねえ、脱がせて欲しい。
第1章 【ねえ、むかつくわ。】

「…っ、お、お嬢様…」
「聞こえなかったかしら?」
「い、え…!」
鋭い眼差し。どこか妖艶な雰囲気に彼、ミサワは息を飲み込んだ。が、自分のスーツに触れる手は少し震えていた。
「あら震えているの?
もういいわ」
「え……!?」
愛香は軽く舌打ちをすると立ち上がってミサワの腕を掴むと彼をベッドの淵に座らせてその膝の上に彼女は乗った。
ふわりと霞んだ匂いはより一層近くなり、良い匂いが彼の神経を麻痺させていく…
「わたくしが脱がせてさしあげるわ」
我慢出来ず限界なのは愛香の方だった。
新鮮だと楽しんでいても焦らされるのは大嫌いな愛香にとってこの時間が息苦しい。
彼の首に腕を回し近付くと愛香はミサワの唇を奪い取った。
「ン…!」
ーーチュ…
静かな広い部屋に響くリップ音。くぐもった声は彼の方だった。
驚いて目を開いたミサワの手はどうしようもない。まだ理性を持った彼は彼女を引き剥がそうとするが"また"命に背くんではないか、と動いた手は何も出来ず宙に舞う。
それを確信犯してか愛香は言葉を発しようとするミサワを無視して口付ける。
深く…深く。

