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第10章 ひよこ 陽菜の嫉妬

「武志は処女嫌いだからねぇ……やってないのも無理ないわね。私に連絡してくれたらいつでも相手してあげるのに」

いやだ……いやだ、いやだ、いやだ！

「泣きそうな顔しちゃって可愛い。武志が虐めたくなるのも分かる……あ、ちょっと！」

もうやだ！
もう聞きたくない！

私はその場にいたくなくてひとみさんが声をかけてくるのにも構わず家へと走った。
だけど自分の家へとは向かわず先輩の家の前で立ち止まる。

先輩……処女、嫌いなの？
だから私とはしてくれないの？

思い返してみれば先輩はエッチなことはするけど最後の一線は超えてこない。
それはやっぱり私が処女だから？
それとも卒業したら私とは別れるつもりなのかな？

涙で先輩の家が霞んで見える。

「あら、あなた武志のお友達？」

声をかけられ振り向くと、そこには一人の女の人がスーパーの袋を持って立っていた。