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冷たい月を抱く蝶
第5章 少女と着物
「そうか…」

 「異国の地で成功を成し遂げるのは、確かに大変な事だ」

「では、その着物を一着作って貰おう。瞳子、彼にそう伝えなさい」

「いいのお義父様…?」

 「ああ、一着くらい構わんよ。それにお前も着てみたいだろ?」

「ありがとうお義父様…!」

私は父の話に素直に喜んだ。彼の作った着物に興味があった。

私は直ぐにその事をおじさんに話した。彼はその話に喜んでいる様子だった。

おじ様は後日、お屋敷に向かうと言ったので、それをお義父様に伝えた。

2人は名前を名乗ってから握手を交わすと、そこで別れた。

 私は彼の手に掴まると、一緒に馬車に乗って屋敷へと帰った。
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