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学園物えっち短編集
第12章 偽りのマシュマロ
やっと終わって席に戻る。
「氷川さん、わりぃ!教科書見せて!」
「…ぅ…あ…ふうぅ…」
俺は氷川さんと席をくっつけた。
このくらいのご褒美くらい堂々ともらってもいいだろ。
氷川さんはまだ泣きそうな顔をしていた。
この距離…最高だ!
あの教師の授業だというのに最高の時間!
と、言っても氷川さんは俯いたままで余計な気を遣わせてしまったような気がした。
授業が終わって俺は席を離す。
「…氷川さん?ごめんな?余計な事したよな…」
そう言うと氷川さんはポロポロと涙を流し始めた。
「え!?え…氷川さん?」
「うわ!矢口、氷川の事泣かしてるぞ」
「違う!俺はそんな…」
ウワーー!
全部裏目に出てんじゃん!!俺のアホー!!
すると、氷川さんは俺の腕を掴んで引っ張った。
「エ?」
氷川さんに引っ張られて教室を出る。
そして人のいないところまで連れて行かれる。
「…ひ、氷川さん?」
「ヒックッ…ごめッ…なさッ…」
「いや、俺の方がごめん」
氷川さんは首を振った。
「……ふうぅッ…本当は…私が忘れましたって…ヒックッ…言わなくちゃいけなかったのにッ……先生が怖くて……すくんじゃって……言えなくて…矢口君が怒鳴られちゃった…」
「俺は怒鳴られても平気だから!っつーか…教科書見つからなくて泣きそうになってる氷川さんのこと見てられなくてさ…ま、だから泣くなよ」
俺は氷川さんの頭をポンと撫でる。
すると、氷川さんはビクッとなった。
「ごめん!嫌だった!?」
「…違っ…///…ふうぅッ…矢口君ズルいよぉ…」
「な、何が!?」
「…言わないッ…///」
やば!!
可愛い…
俺はわざと氷川さんの頭を撫でまくってやる。
「ンーッ…髪グシャグシャになっちゃうよぉ!」
「ぷっ!グシャグシャにしてんだよ」
距離が縮まったような気がする。