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第15章 始まりは夜這いから

「ゆ、裕也！白かッキャッ！」


ドンッ！


「拓人(タクト)ぉ〜！拓人と一緒に行きたくて自分の班抜けて来ちゃったぁ…ん？何かぶつかった？気のせいかなぁ」

「気のせいじゃね？小さいの転がってるように見えるけど」

「それより拓人ぉ〜」


…最悪！！あいつも同じ班だった事すっかり忘れてたよ。


拓人と呼ばれているあの性格の悪い男子は、新川拓人(アラカワ タクト)。あんなに性格悪いのに、一応ルックスが良いせいか女の子にはモテるようで…自分に興味のある女の子以外にはこの扱いだ。


「乃絵瑠！大丈夫？」

「…うん…でも……あんなに突き飛ばさなくてもいいのに…」

「坂井(サカイ)！躓いた！？立てるか？」


なんと、不幸中の幸いとはこの事！？

白河君が私が転んでいるのに気が付いて、駆け付けて来てくれた。


手を差し出してくれて、私は急いで白河君の手を掴むと立たせてくれた。


「あ！あああありがとう！！///」

「乃絵瑠は相変わらずドジだなぁ」

「裕也うるさい！」

「っていうか、ペース速かったよな？女子のペース考えてなくてごめんな…ここから俺たちが後ろ歩くから」

「え…ううん！そんな事ない！白河君…優しいよね///」

「いやいや、そんな事ないって！さっき裕也が山を歩く時はペースが速い人が後ろに行った方が良いって教えてくれたからさ」


やっぱり…他の男の子と違って白河君は王子様みたいだぁ…///