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学園物えっち短編集
第18章 SEME



基本的に男子は全員ジャガイモに見立てて過ごしていたので、名前がわからない…。

っていうか、話し掛けて来た男子の顔をちゃんと見たの初めてだ。

優しい声のトーンについいつものジャガイモ変換機能を忘れてしまった。

私はその人をジッと見ながら黙っていた。


「…」

「あ、ごめん…話した事ないのに名前とかわからないよね」

その男子は何も答えない私にちょっと困ったような笑顔でそう言ったので私は頷いていた。

先生以外の男子とコミュニケーションを取るなんて何年ぶりだろう。

「俺、三咲 優(ミサキ ユウ)。これから隣りの席同士よろしくね?」

「ぁ…の…」


ガバッ


「優ーッ!席隣りじゃん!優と席隣りとかすげぇ嬉しい!」

突然三咲君が後ろからジャガイモに抱き着かれていた。

私はその瞬間にパッと前を向いた。


「ふふッ…大袈裟だなぁ」

「何?佐竹に話し掛けてたん?」

「うん、まだ話した事なかったから仲良くなれたらと思って…あ、佐竹さん話してる途中にごめんね」

「…」

私は完全に三咲君の方を向くのを止めて、前を向いて俯いていた。

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