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学園物えっち短編集
第20章 桜舞い散る中の君


「桜さんか…ふッ…ちょうど桜の下で見つけた人が桜って名前なんて、めちゃくちゃ偶然ですね。あ、俺は大樹(ダイキ)っていいます」


東京のノリに合わせて、俺も下の名前だけで自己紹介をした。


「…名字は?」

「は!?吉野(ヨシノ)です…」


「吉野君ね…覚えておく」


うわ…恥ずかしい!東京のノリだと思って名前で言ったのに…


「えっと…春からよろしくお願いします」


握手を求めて手を差し出したけど、桜さんはジッと手を見ているだけだ。




「大樹ー!帰るわよー」

「あぁ!今行く!それじゃあ、桜さん。また新学期に…」



俺は握手をしてもらえなかった手を引っ込めた。



その時、風が吹いた。



桜の花びらが舞い散る中で、桜さんは俺に向かって微笑んだ。



それが…すごく美しくて…


今日初めて会った桜さんに心を奪われそうになった。



これが、桜さんとの出会いだった。
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