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学園物えっち短編集
第20章 桜舞い散る中の君


新学期が始まると春休みに出会った桜さんは、なんと同じクラスだった。


しかも、席も俺の斜め前の席で近くだ。


俺は転入生で、桜さんは留年していて周りの馴れ合いの空気にすぐに馴染めない者同士。


休み時間になった瞬間に俺は、ホームルーム中ずっと机の下で本を読んでいた桜さんに声を掛けに行った。




「桜さん、同じクラスでしたね」

「…」

「えーっと…本読んでる時に話し掛けちゃってすいません」

「…ん。」


桜さんはこちらを一切見る事はなかった。俺は仕方なく静かに自分の席に戻る事にした。


ちょっと変わってる人だとは思っていたけど、まさか、全然話してくれないとは…春休みの時は結構話してくれたんだけどな。


ガッカリしながら自分の席のすぐ横の窓からグラウンドを眺める。




あ…桜さんの言う通りだ。




もう今年の桜は散り始めていた。


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