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学園物えっち短編集
第20章 桜舞い散る中の君
新しい学校に通い始めてから1週間が過ぎた。
クラスでもそれなりに友達が出来て、新しい学校にやっと慣れて来たところだ。
その一方で、桜さんはやはり少し変わっていてクラスメートが話しかけてもこの前の俺の時のような態度を取るので、誰も話し掛けなくなっていた。
そして授業中もずっと本を読んでいる。
これが原因で授業についていけなくなったのではないかと思ったが、授業中不意に問題を当てられた時直前まで本を読んでいたにも関わらずスラスラと応用問題を解いていた。
普通に頭も良いし…不思議な人だ。
昼休み。昼ごはんを食べた後、飲物を買いに一人で自販機に行くとグラウンドの桜の木の近くのベンチで桜さんが一人で弁当を食べているのを見掛けた。
本読んでない…今なら話し掛けたら応えてくれるかもしれない。
俺は懲りずに、桜さんのいる所へと向かった。
「桜さん」
「…」
「隣り…座りますね」
図々しく桜さんの隣りに座ると、桜さんは体を俺のいる方と反対に向けた。
うわ…なんかめちゃくちゃ避けられてる…。
「あの…人と話すの嫌いですか?」
「…別に。吉野君、話掛けてくれなくていいよ」
「えー…せっかく名前も覚えてくれたのに…っていうか、偽善で話し掛けてるわけじゃないんですけど」
「じゃあ、名前忘れる」
「そんな!」
「だって…私、友達とかいらないから」
「はぁ!?俺は桜さんと友達になりたいのに!そういうの思わせぶりっていうんじゃないですか…そういうつもりないなら何で俺の名前覚えたとか言うんですか?」
「あの時は…友達作っても良いかなってちょっと思ったから。でも、今いらない」
「あー、そうですか。わかりました。あんまりしつこくしたくないので、もういいです」
桜さんにならちょっと振り回されても良いかもと少し下心もあったが、これではどうしようもない。
いくら俺が、仲良くなりたいと思っても本人が人と関わりたくないのなら仕方ないか。
俺は一人で、教室へと戻った。