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学園物えっち短編集
第3章 なつの訪れ
その日はなんだか菜津と話せなかった。

妙に意識をしてしまう。


放課後。

帰ろうとする俺を菜津は引き止めた。

「何?」

「えーっと…うー」

「10秒以内に用件言わないと帰る」

「…今日…迷惑かけちゃったから何かおごる!今から暇?」

「…まぁ…暇ですけど?俺高いよ?」

「全然大丈夫!」

俺たちはファミレスへと行った。





「でね…菜津に欲情したってどういう事?」

「ブッ!」

俺は飲み途中の水を吹き出してしまった。

「浩太汚い!」

「突然変な話を掘り出すからだ!…あれは深い意味はないよ…まんまの意味」

「…まんま?」

菜津は俺にどんな答えを期待してただろう。


このまま告る?


もし、菜津にそんな気がなければ多分こんなに仲良くなったのに一気にギクシャクするだろう。


今回の俺はマジだ。

彼女を作ってみたいとかとりあえず彼女を作っとくとかそういうのではない。

純粋に好きなんだ。




「あれ?浩太?」

この声は…

「浩太じゃーん花火大会ぶりだね」

「…何だよ?座んなよ」

その女。

忘れもしない、あの時花火大会の日俺を捨てた女だ。

俺の隣りに座った。

「何この子?新しい彼女?」

「お前に関係ねーだろ」

「そんな訳ないよね?浩太の好みじゃないもん!」

こいつ何を根拠に!?

菜津は不愉快そうな顔で睨んでいた。

「それよりより戻さない?もうあいつとは別れたんだよね、浩太もそろそろ溜まってんじゃないの?また相手してあげる…今度は飽きさせないでよね?」

こいつ正気か?


俺は本気でぶちぎれる5秒前だった。
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