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学園物えっち短編集
第20章 桜舞い散る中の君
さすが桜さんのお母さんだ。すごい美人だった…。
桜さんの部屋に案内される。
コンコンッ
「はい」
ガチャ
「吉野君がいらしてくださったわよ」
「え…ちょっと待って!」
桜さんは慌てて何故か本棚にカバーをかけた。
一瞬パジャマ姿だったから恥ずかしいのかと思ったが、そういう事ではないらしい。
本棚にカバーをかけると普通に部屋に入れてくれた。
「吉野君、ごゆっくり」
「あ、ありがとうございます」
桜さんのお母さんはすぐに紅茶とケーキを出してくれて桜さんの部屋から出て行った。
桜さんのお母さんが出て行くと、俺が座っているソファの隣りに桜さんが座ったので俺は鞄から本を出して桜さんに渡す。
「ありがとう…」
「桜さん、白雪姫とか好きなんですね。もっと難しい本とか読むのかと思いました」
「ん…見たの?」
「あ、すいません!いつも熱心に読んでるから気になって!つい…」
「私が持ってくるように頼んだんだしいいけど」
「…いつもそれ読んでたんですか?」
「うん…この本大好きだから。あのね、これ見て。」
桜さんは本をペラペラと捲って、挿絵のあるページを俺に見せた。
白雪姫に出て来る王子?
「似てる」
「?」
「王子様と吉野君が似てるって初めて会った時から思ってたの」
「え!?似てる!?これと俺が?」
挿絵といっても外国風の昔の絵みたいな挿絵で、今時のイラストとかみたいにイケメンの王子様とかそういうものではない。
喜んでいいもんなのか…ちょっと複雑な気分だ。