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学園物えっち短編集
第20章 桜舞い散る中の君



「吉野君、スマートフォン貸して?桜の写真撮りたい。デジカメ持ってくるの忘れちゃった」

「…いいですよ」


俺のスマホで桜の写真を無邪気に撮る桜さんを、俺は後ろから抱きしめた。


「…吉野君?」

「桜さん…俺、桜さんの事が好きです…」

「本当…どうしてかな…。どうして吉野君と出会っちゃったんだろう…」



桜さんは抱き締める俺の腕をギュッと握って、震えていた。



「私ね…もう半年しか生きられないんだって…。友達とか好きな人がいたら…最後お別れするの悲しくなっちゃうでしょ?だから…好きな人なんていらなかったのに…本当……吉野君とは出会わなければよかった…」

「…桜さんにこんな悲しい思いさせるなら本当に出会わなければよかったですね。でも、仕方ないじゃないですか…出会っちゃったんですから。お願いします…桜さんの側にいさせください…」



桜さんは体をこちらに向けて、涙を流しながら俺の顔をジッと見つめて俯いた。




俯いた桜さんの顔を覗き込んで…桜さんと唇を重ねた。




唇が離れると、桜さんは静かに微笑んだ。


「…ドキドキした」

「俺もです」



その後桜さんのお母さんに連絡を入れて、俺が謝るはずだったのに何度も謝られてしまった。


そして、1日に2度も飛行機に乗るのは桜さんの体に負担を掛けてしまうかもしれないという事で俺達はホテルに泊まる事になった。
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