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龍ちゃんの豹変
第1章 へたれな龍ちゃんが変わる時
「だっ、だって!夏帆が変なこと言うからっ!」

「それにしたってマンガじゃないんだからさぁ…」

ちっちゃい時から龍ちゃんの部屋に入り浸っている私にとってここは自分の部屋も同然だ。
手近にあった箱ティッシュを手に取ると、龍ちゃんのぶちまけた水玉模様を拭き取った。

そういえば龍ちゃんの部屋にもエロ本とかあるのかな?
隠す定番と言えばベッドの下だけど……

「ちょ、ちょっと夏帆!何やってんの!」

「ん~?エロ本ないかなって思って」

「そんなのないよ!あるわけないだろ!」

「あるわけないって……龍ちゃん、それ逆に危ないんじゃない?」

あーでも今の男の子って淡白だっていうもんね。
龍ちゃんも絶対草食系だし。

「さっきの質問だけど……夏帆は?夏帆はセックスしたことあるの?」

え、ないよ?
だって龍ちゃんに甘やかされて育ってきたから、基本的にみんな私のわがままについてこれなくて嫌だって言うんだもん。
向こうから告白してきたくせに情けないよねー。

「どうかな?あるんじゃない?」

何となく。
何となく嘘をついた。
それはホントに魔が差したとしか言い様がない。
龍ちゃんが童貞っぽいからちょっと大人ぶってみたかった、みたいなそんな感じだったんだけど。

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