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第1章 へたれな龍ちゃんが変わる時

「へぇー、そうだよな。夏帆ももう18だもんな」

「そ、そうだよぉ、来年は大学生だよ？」

あ、何だか心が痛い。
龍ちゃんには刺激が強すぎたかな？
もしかして私で妄想なんかしちゃったりしてる？
ってかホントはエッチなんてしてないのにね。

とはいえそんなに罪悪感なんて感じてなくて、私はボロが出ないように棚に並んでたマンガを手に伸ばした時だった。

「りゅ……ちゃん？」

伸ばした手を掴まれ後ろを振り向いた｡

龍ちゃんの顔が……龍ちゃんの顔が……いつもの龍ちゃんじゃない！

「何だよ、やられたよ。夏帆のワガママに付き合える奴がいるとは思わなかったなぁ」

前髪がかきあげられ龍ちゃんの目がぎらりと光る。

いつものへたれな龍ちゃんじゃない！
やだやだやだ！
この人誰？この人ホントに誰？
怖いんだけど！

「龍ちゃん……離して…っ」

「なあ……いつやったの？俺の知ってる奴？全然知らなかったんだけど」

龍ちゃんの顔がどんどん近づいてくる。

あれ？
龍ちゃんってこんな顔だった？
髪上げて眼鏡外すと……もしかして…結構かっこよかったり…する？