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龍ちゃんの豹変
第9章 龍ちゃんの拒否と失う覚悟
駅に着いてすぐに女子トイレに入る。
この駅のトイレは新設されたばかりだからキレイだ。
とりあえずここで落ち着こう。

家には戻れなかったので、携帯しか持ってこれなかった。
ってそれじゃ遠くどころかどこにも行けないじゃん。

サイレントにしたままの携帯は何度もピカピカと光を放った。
『龍ちゃん』『龍ちゃん』『龍ちゃん』
ずっとかけてくれているんだと思うとちょっと嬉しい。

広めの個室で便座に腰掛けながら、ただ携帯を見つめた。
着信は途切れ、すぐに再開する。

初エッチはやっぱり龍ちゃんとしたかったなぁ。
そりゃ自分で蒔いた種だから仕方ないんだけど。
でもそれでも龍ちゃんが良かった。
龍ちゃんなら痛くても我慢できる。
龍ちゃんから与えられる痛みならそれさえも快感に変えられる。

今頃気付いても遅いんだけどね。

自分で自分に苦笑いすると、私は桃花にラインを送った。
数分後、桃花から着信が入る。

『夏帆ちゃぁん……本気なのぉ?』

「本気。だから桃花のお友達紹介して?」

『……だって、夏帆ちゃんは……っ』

「できれば優しい人がいいな。あんまり激しくない人。私、初めてだからさ」


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