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白雪姫にくちづけを
第32章 番外編


『うーん、どれもあずさちゃんが好きそうだと思うけど。本人が選んだの?』


『ま、まぁ…』


『じゃあまず、色を決めようか。ゴールドやプラチナも人気だけど、あずさちゃんの肌には、ピンクゴールドが柔らかくて似合うんじゃないかな?』


芽衣のおかげで、どんどん決まってゆく指輪のイメージ。
話が煮詰まり、色、形、細さなどが具体的になったことで、浩巳にも想像ができ、無事にデザインを選ぶことができた。


『ありがとうございます!おかげでようやく決まりました。』


指輪の注文を終えた浩巳は、芽衣に嬉しそうに頭をさげた。


★小言⑥
『…浩巳くん、何だか変わったね。』


『はい?』


『ううん。指輪は仕上がりまで1ヶ月はかかるから、受取はこの日になります。』


注文控えを受取る浩巳。


『あ。ちなみに、この日は私の結婚式の日なの。別の担当者に言付けておくから安心してね。』


『あ、そうなんですか。おめでとうございます。…あ。じゃああずさも…?』


『うん、当日はあずさちゃんも式に来てくれる予定。…何だかごめんね?あずさちゃん借りちゃって。』


『い、いえ…』
(すぐにでも渡したいと思ったのに、指輪は1ヶ月もかかるなんて。その上、その日はあずさに会えないのか…)


浩巳があからさまに気落ちしていると、芽衣が優しくアドバイスした。


『披露宴が16時に終わって、二次会が18時から。その間の2時間なら、会えると思うよ。』


『え。』


『その日は私達1組が貸切って使うから、たぶん二次会が終わるまで、敷地内は自由に使えるはず。例えば…チャペルとか。2人きりになれそうな場所もきっとあると思う。念のために、空いた時間にチャペルを使えるか、式場に確認してみてもいいよ?』


『……//』
(なんか…プロポーズしよーとしてんの、バレてるか?)


『あ、余計だった?ごめんね?』


『い、いえ…出来ればお願いできますか?チャペルの使用について。』


『いいよ。また連絡入れるね。』


注文書の携帯No.を指差して、芽衣は笑った。


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