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堕ち逝く空
第2章 始まりは静かに…
クスクスと笑う声。ねっとりと与えられるもどかしいとさえ感じる振動は、指がいつの間に増えている。三本の指でそれぞれが違う動きで綾香を煽っていく。

「もう開きだしている、君の花は蜜も多いね」
「やめ…てぇ…」

抵抗出来るだけの力も削がれている。後ろから支えられて居なければ立っていることももう綾香には出来ない。本当と理性と快楽と恐怖がグチャグチャに混ざって理解の範疇を超えている。男は見せつけるように触れていた指を綾香に見せた。
男の指どころか手の甲にまで雫が延びている。ヌラヌラと控え目な電車の明かりでも光って見える。クスクスと男は満足そうに笑みを深めると、閉じることも出来ない元の位置に手を戻した。
終わったのかと思った羞恥は、より煽られる恥辱を与えるだけだ。男は描いていた弧を止め、直接に捏ね出す。中指が肉襞の奥へ潜っていく。それは奥ではなく浅い場所で抜き差しをする。クリトリスに与えれる刺激とまた違う。

「あうぅ…うぅ…あぁ…」

男に凭れ掛かり頬を寄せて耐える。声が抑えきれないのを楽しむ男たちの笑い声が耳に障った。それでも現状は埋もれている綾香に気がつく他人は居なかった。

「きゅうきゅうと指を締めてくる…運動は得意だと聞いているけど、コッチは無事かな?」

その儘浅瀬で往復をしていた中指が、肉襞を割くように奥へ潜っていく。ビクッと綾香の身体が反り上がる。声が出そうになるのを塞がれる。ピリッとした痛みが衝撃として走った。

「ああ、コッチはあまり深く挿れないようにしよう。もし膜があったら破ると煩いからね…」

そう小声で綾香の耳に囁く。浅瀬に戻った指は出入り口で弧を描きながら、たっぷりすぎるほどにふやかした指でクリトリスに強い振動を与えだした。

「あっ…、あぅ…あ……っぁ……」

顔を押し付けて声を堪えるが、どうしても漏れる声が止まらない。頭の中が真っ白へ溶けていっているのではないかとさえ思う。震える身体が一際、大きくうねって跳ねた。

「っ!!!」

男の手に殺された声が続く。何かが弾けた音がしたのに、それが何か分からないで震えた。壊れたんじゃないかと、綾香には感じたほどだった。

「イッたか……本当に驚くほど快楽に素直な身体だ……」

何かを言ったのを聞いたのに、全身から力が虚脱してしまった綾香には何を言ったのか最後まで聞き取れない。いつ電車は発車したのか。…
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