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堕ち逝く空
第3章 調教と書いて「愛」という
背徳的な行為で得る快楽に虜になる。顔と指しか知らないのに、香織は彼に恋を始めていた。
向けられる眼差しが優しく。どうしってこういうことをするのか、その目的も分からないのに。ーー行きの電車での数十分間の逢瀬。彼は降りる駅がまちまちで、どの駅が本当の目的か。また目的の駅がないのか…それも分からない。そんな相手に恋をしていると思うが、そもそもの錯覚なのかも知れないと思っても。

「触れて…欲しい…」

鞄にいつの間に入れられたのか。小さな紙袋の中を開けて香織は顔を赤くする。自室で開けてきょとんとしつつ開いた袋の中身は純白のーーセクシーな下着だった。
どれほどセクシーかというと、およそパンツとしての役目は果たせないだろうという代物だ。…こんな下着はどこで売っているのだろうと思ってしまったほどだった。
白いレースは上等なものだ。指で触っても分かるほど、生地も上質な部類だろうと推測出来る。ただし股の部分に生地が……ない。

「…これ、どうやって洗濯したらいいのかしら…?」

眉を八の字に下げて小首を傾げる。問題はそこではないはずだが、朝、香織はその下着を履いてみた。
お揃いのブラジャーも授乳用のだろうかと思うほど、乳首の位置で開閉する扉のような仕組みになっていた。

「…………」

家族には決して見せられない下着だと思う。急いで制服を纏うと下に入る風が、直接部分を冷やしていた。
捲れないように最新の注意をしながら、いつもの場所に立つと彼が後ろに立つのを感じた。
人に流される身体を、彼は捕まえて側に置く。扉と彼に挟まれる形で香織は立った。
スカートが捲られる。履き心地としてはあまり良くない下着だが、彼はいつものように丁寧にワレメを指先で撫でる。いつもみたいに阻む布がないせいか、簡単に芽を剥かれて身体が跳ねた。

「もう濡れているな…」
「だって…」
「だって…なんだ?」
「気持ち…いい…です…」

尻しぼみに掠れる声は羞恥のせいだ。薄っすらと瞳が笑うのが見える。中指が辿ると既に軽い水音がしていた。
微笑みなのか、嘲笑なのかよく分からない笑みを浮かべる。彼は中指で出入り口を塞ぎ、親指を器用に動かし芽を愛で始めた。
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