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堕ち逝く空
第1章 突然の手紙
受け取った手紙を見て、綾香の戸惑いを察したのか。静かな声で言葉を続ける。しかしそれは口元を動かすだけだったようで、きちんと綾香の耳には届かなかった。
「それではまた…」
「いやいやいや…またとか無い方が私は嬉しいから!」
ちょっとだけ驚いたように、目を開いた順の予想外に無邪気な空気に、綾香は小首を傾げる。しかしそれは一瞬だけのようで、順はその後なにも動きを変えず踵を返すと車の中に消えていった。
改めて受け取った手紙を見る。鼻先に近づけると淡い薔薇の香りがし、厚みのある封筒に蝋で印が押されていた。
「それではまた…」
「いやいやいや…またとか無い方が私は嬉しいから!」
ちょっとだけ驚いたように、目を開いた順の予想外に無邪気な空気に、綾香は小首を傾げる。しかしそれは一瞬だけのようで、順はその後なにも動きを変えず踵を返すと車の中に消えていった。
改めて受け取った手紙を見る。鼻先に近づけると淡い薔薇の香りがし、厚みのある封筒に蝋で印が押されていた。