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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です

少し甘やかしすぎじゃないか?
ここまで世話をしてほしいと母さんにお願いされているのだろうか。
だったら、それはそれで心配性すぎる・・・!

いや、あんな手紙を置いていきなり海外へ飛んでしまう人だ。
予測不能、矛盾だらけな言動、あながち無くも――。

そんなことを思いながらも無駄な抵抗はしない。

クロには勝てなさそうだし・・・。

「できましたよ。よくお似合いです」
「ありがとう・・・」

最後にブレザーを着させられると、ズボンを渡された。

「斎様、私は少し着替えてきますのでズボンはご自分で履いてください」
「あ、あぁ」

着替え?そのままの恰好じゃないのか・・・?

俺はきょとんとさせる。

「斎様、もしかしてズボンも履かせたほうがよろしかったですか?」

馬鹿にしたように、頭を優しく撫でられる。

「はぁ!?それぐらい自分で出来る!」

俺は見せ付けるようにズボンを履く。

「ふふ。そのようですね。
では」

クロは一礼すると、まだ見慣れない屋敷の一角に作られた執事部屋に向かった。
そんな背中を俺は精一杯睨みつける。

アイツ・・・何なんだ!主人を馬鹿にするとか可笑しいだろ・・・!

「まったく・・・」

残り少ない春休み中のクロの格好といえば、決まってあのお洒落なネイビーのスーツだった。
朝昼晩の料理時も、屋敷内の掃除時も、庭園の管理中だって他の服を着ているのを見たことがない。
スーツが執事服なのだろう。

今朝の様に必ず俺より先に起きているし、夜は俺より後に寝ているから、クロに寝巻という概念があるのかすら謎だ。

そんなクロから初めて着替えるというワードが出てきて俺は少し驚いてしまった。
好奇心の割合の方が多めだが。

ブツブツと一人で零すこと、数分後。
カチャ、とドアが開いてクロが姿を現した。

「おい、遅いぞ。遅刻するんじゃない、のか・・・!?」
「すいません。ちょっと髪のセットに時間がかかってしまいました」

俺は予想外の姿に驚いて目を見開いた。

「く、クロ!その格好!」
「どうかなされましたか?」

不思議そうにクロは俺の顔を見た。

どうもこうも・・・!
それ、俺が今日から通う高校の制服!

「クロ、お前!それ、俺の高校の制服!」
「はい。そうですが・・・
なんで驚いているんですか?」

クロはさり気なくメガネをかけ、前髪をそっと手で調える。
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