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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
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「「「ごちそうさまでした」」」

3人で手を合わせ、声を揃えて食事を終える。

「お腹いっぱいー」

春はお腹をさすって、ふう・・・と一息つく。

「おにぎり何個も食べるから・・・」

俺はほどよい満腹に満たされ、幸福感に包まれている。

「アップルパイは程よく空いたとき、テレビを見ながら食べましょうか」

クロは皿洗いをしているため、キッチンから問いかける形で訊いてきた。

「んー・・・まだ、7時前だしな・・・」

今日は普段より少し早い夕飯だったので、まだゴールデンタイムのバラエティー番組やドラマは始まっていない。

「なんか、暇だね・・・」

チッ・・・チッ・・・と時計の音と春の呟きが共に響く。

「――でしたら、お風呂にでも行って来てはどうでしょうか?」

クロが、一旦皿洗いを終え、手を拭きながらこちらに近づいてきた。
俺は、そういえばお風呂――。と胸の辺りに手を置いた。

「お湯はもう沸かしてあるので、いつでも大丈夫ですよ」

「二人仲良く入ってきてください。バスタオル、準備してきますー」と言い、そそくさと洗面所の方へ行ってしまった。

「無駄に準備がいいな・・・」
「さすがだねー」

春は一緒に入れることが嬉しいのか、どこかルンルンだ。

俺は、首元や腰回りの印が気になって仕方ないんだが・・・。

「斎、早速お風呂行こうー!」
「あ、じゃあ、先に行ってて。
ちょっとトイレ行ってくる」
「うん、わかった」

春は疑いの目もなく、軽い足取りで洗面所へ行ってくれた。

よし・・・。
後は部屋に戻って・・・。

春の姿が見えなくなると、俺は急いで自室へ戻り、引き出しの奥から小箱を取り出す。

中には、数枚の絆創膏――。

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