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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
「のぼせたって、春くんから聞いて。
気分悪くない?」
「そんなにのぼせてないし・・・」

頭がぐらぐらして、ぐるぐる回る。

どうすればいいんだ・・・。

「なら良いんだけど――」

どうして、そんな顔してくれるんだ・・・。
心配そうに・・・してくれるんだよ・・・。

クロは心底心配そうな顔をして近寄ってくると、俺の首の方へ視線を落とした。

「斎、ここの絆創膏、剥がれてるよ?」
「あっ」

俺は咄嗟に首元に手を当て、目を逸らしてしまった。

まずい・・・逸らしちゃまずかった・・・。

後悔しつつも、もう一度見る勇気は無くて、しばらく黙り込んでしまう。
クロは一言も発してくれなかった。

もう嫌だ、こんな雰囲気。

「――今から着替えるから後ろ向いてて・・・」
「はい――」

耐えきれなくなった俺はクロに指示を出すと、よろよろと立ちあがった。
タオルを巻いただけの体は少々冷えたみたいで、ぶるっと震えた。

「っくしゅ・・・!」

何度かくしゃみを連続させつつ寝巻などを取ると、ふわっと後ろからぬくもりを感じた。

「風邪ひきます」

クロは背中から俺を抱くと、俺の下着を持って、穿かせる手伝いをし始めた。
同時にタオルを引き剥がされる。

「わわっ!いいって!」
「黙っててください」
「あっ・・・」

初めてされた強引な物の言い方に扱い方。
いつもは優しい口調に、割れものに触るかのような丁寧な扱いを受けていた俺は驚きを隠せない。

「やめろって・・・!」
「いいから」
「ちょ、待ってって・・・!」

ぎゅっと手首を握られ、背中越しに抱きしめられる。

必死に腕や肩を捩じるも、それは虚しく抑え込まれていく。
力強さが男らしくて、クロのことを初めてちゃんと意識した。

「斎」
「やめっ・・・!」

頭が追い付かない。何も分からない。

目に温かいものが滲む。

いやだ・・・今はクロを感じたくない・・・。
変にまた考えたくない。

「・・・あーもう!」

俺はやけくそで力いっぱい振り絞り、クロの手を払う。
やっと払えた・・・と息を吐き、顔を上げた。

すると、ふっ――と視界に俯くクロの顔が見えた。


泣きそうな苦しそうな。そんな顔が。


ドクン―――


「――クロ・・・」

俺は途端に、力いっぱいクロの腕を押さえていた自分の手を緩める。
クロはパタリと手を下ろす。
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