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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
「――・・・ごめ、んなさい・・・」
俺は、気づいたときには、なぜかそう口走っていた。
「なんで謝るの・・・?」
クロは視線を落したまま、そう言う。
――今日のこと、全部台無しにしてしまった・・・。
俺はじわじわと後悔を実感し始めた。
今日、クロと春と出かけたこと。
ハンバーガーを食べて、買い物をしたこと。
クロにお揃いの抱き枕を買ってもらったこと。
クロの新しい一面を見たこと。
距離が少しでも縮んだこと――。
ぎゅっと下唇を噛む。
そして、ふと・・・心のどこかで思った。
でも本当は――・・・
本当は、ここでクロに隠していたのがバレたのなら、この機会でキスマークの事を厳重に言えばいいはず・・・。
この際はっきり言えば・・・。
後悔して謝ることなんか――
「――クロ、ホントごめん・・・」
でもクロを傷つけたと思った。
見せない、見たことのないクロを目の当たりにして、そう思ってしまった。
「で、でも着替えは自分でするから・・・!大丈夫だし――」
俺はたじたじで喋りながら、クロから寝巻を取ろうとする。
相変わらずの無言。返答なし。
気まずい・・・。
恐る恐るクロの手に握られた寝巻に手を伸ばす。
すると手に取った途端、グイッと引っ張られた。
「おわっ・・・!」
ポスッといつのまにか収まっていたのはクロの胸の中。
ぎゅうっと少し痛いくらいの強さで抱きしめられ、ふわっと香るクロの匂いに妙にドキドキしてしまう。
「く、クロ・・・」
びっくりしすぎて瞬きを数回散らすと、次は頬に手を添えられ、優しいキスが額に落ちてきた。
「ッ・・・」
綺麗な肌に、長いまつ毛が付いた瞳は閉じられ、ほんのりと感じる手のぬくもりにドクン、ドクンと心臓が跳ねる。
目を閉じるのも忘れて俺はクロに釘づけになってしまった。
「クロ・・・」
名を呼ぶとクロが目を合わせてくれた。
そして、いつもの様にニッコリと笑いかける。
・・・よかった・・・。
俺はひとまず安心すると、頬に添えられた手の上からそっと触れた。
俺は、気づいたときには、なぜかそう口走っていた。
「なんで謝るの・・・?」
クロは視線を落したまま、そう言う。
――今日のこと、全部台無しにしてしまった・・・。
俺はじわじわと後悔を実感し始めた。
今日、クロと春と出かけたこと。
ハンバーガーを食べて、買い物をしたこと。
クロにお揃いの抱き枕を買ってもらったこと。
クロの新しい一面を見たこと。
距離が少しでも縮んだこと――。
ぎゅっと下唇を噛む。
そして、ふと・・・心のどこかで思った。
でも本当は――・・・
本当は、ここでクロに隠していたのがバレたのなら、この機会でキスマークの事を厳重に言えばいいはず・・・。
この際はっきり言えば・・・。
後悔して謝ることなんか――
「――クロ、ホントごめん・・・」
でもクロを傷つけたと思った。
見せない、見たことのないクロを目の当たりにして、そう思ってしまった。
「で、でも着替えは自分でするから・・・!大丈夫だし――」
俺はたじたじで喋りながら、クロから寝巻を取ろうとする。
相変わらずの無言。返答なし。
気まずい・・・。
恐る恐るクロの手に握られた寝巻に手を伸ばす。
すると手に取った途端、グイッと引っ張られた。
「おわっ・・・!」
ポスッといつのまにか収まっていたのはクロの胸の中。
ぎゅうっと少し痛いくらいの強さで抱きしめられ、ふわっと香るクロの匂いに妙にドキドキしてしまう。
「く、クロ・・・」
びっくりしすぎて瞬きを数回散らすと、次は頬に手を添えられ、優しいキスが額に落ちてきた。
「ッ・・・」
綺麗な肌に、長いまつ毛が付いた瞳は閉じられ、ほんのりと感じる手のぬくもりにドクン、ドクンと心臓が跳ねる。
目を閉じるのも忘れて俺はクロに釘づけになってしまった。
「クロ・・・」
名を呼ぶとクロが目を合わせてくれた。
そして、いつもの様にニッコリと笑いかける。
・・・よかった・・・。
俺はひとまず安心すると、頬に添えられた手の上からそっと触れた。