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執事はお嫌いですか?
第6章 主人と執事は翻弄し、進む
「なんか、そんな全裸のままそう言われると信じられない・・・ふは・・・」
「全裸ではちょっと・・・」と後ろでクスクスと笑う声が聞こえてきた。
「う、うるさい!」
さらに体を熱くさせつつ、俺は下着と寝巻の上をさっと着るとクロの方へ向き直る。
よほど面白かったのか、見た時には目元を手で拭い終わった後で、顔を上げていた。
「はぁ・・・斎はホントに可愛いね・・・」
ぱちっと目が合ってからそんなことを素で言われてしまい、俺は行き場の無い照れた顔を、大き目の寝巻の袖で隠す。
「――別に今言いたかったことだから、格好なんて・・・いいだろ・・・」
「――うん、わかってる。
ありがとう、斎」
クロは朗らかな笑みを浮かべると、俺をそっと、大きな腕で胸の中へ包み込み、優しく頭を撫でた。
「なんだよ・・・」
俺は緩んだ顔を見上げる形で頬を膨らませる。
「ううん何でもないよ。
ただ――
こんなにも愛おしい主人が俺のために恥ずかしいのを我慢してくれるなんて、俺は幸せ者の執事だな。って」
「感謝しろ・・・!」
「はいはい」
幸せそうな、緩みきった顔を見せるクロに、ひとつ、何かが揺れた。
俺は不意にそっと手を伸ばし、クロの髪にゆっくり触れた。
出会って間もない時に気づいた。クロの髪は綺麗で、サラサラで――
ぎこちないながらも、優しく動かす。
「本当に、ごめんなさい・・・。
大事に・・・します・・・」
今、あの時のクロの顔を思い出すと、罪悪感でいっぱいになりそうになる。
今更ながら、春には事前に相談しといても良かったのでは・・・?と、思う始末――。
縮めたかったのに、溝掘るようなことしてどうするんだ、俺・・・。
「・・・俺は、大丈夫だよ」
クロは俺の行動に少し戸惑いつつも、頭に置いた手を取って頬を擦り寄せた。
「本当・・・か?」
「うん。
さすがに、ちょっと深くやりすぎた俺が悪いだけだし・・・。
でも、印が無いものとされたみたいで――」
さらりと首元を撫でられる。
首元は一番濃く残るキスマーク。
「全裸ではちょっと・・・」と後ろでクスクスと笑う声が聞こえてきた。
「う、うるさい!」
さらに体を熱くさせつつ、俺は下着と寝巻の上をさっと着るとクロの方へ向き直る。
よほど面白かったのか、見た時には目元を手で拭い終わった後で、顔を上げていた。
「はぁ・・・斎はホントに可愛いね・・・」
ぱちっと目が合ってからそんなことを素で言われてしまい、俺は行き場の無い照れた顔を、大き目の寝巻の袖で隠す。
「――別に今言いたかったことだから、格好なんて・・・いいだろ・・・」
「――うん、わかってる。
ありがとう、斎」
クロは朗らかな笑みを浮かべると、俺をそっと、大きな腕で胸の中へ包み込み、優しく頭を撫でた。
「なんだよ・・・」
俺は緩んだ顔を見上げる形で頬を膨らませる。
「ううん何でもないよ。
ただ――
こんなにも愛おしい主人が俺のために恥ずかしいのを我慢してくれるなんて、俺は幸せ者の執事だな。って」
「感謝しろ・・・!」
「はいはい」
幸せそうな、緩みきった顔を見せるクロに、ひとつ、何かが揺れた。
俺は不意にそっと手を伸ばし、クロの髪にゆっくり触れた。
出会って間もない時に気づいた。クロの髪は綺麗で、サラサラで――
ぎこちないながらも、優しく動かす。
「本当に、ごめんなさい・・・。
大事に・・・します・・・」
今、あの時のクロの顔を思い出すと、罪悪感でいっぱいになりそうになる。
今更ながら、春には事前に相談しといても良かったのでは・・・?と、思う始末――。
縮めたかったのに、溝掘るようなことしてどうするんだ、俺・・・。
「・・・俺は、大丈夫だよ」
クロは俺の行動に少し戸惑いつつも、頭に置いた手を取って頬を擦り寄せた。
「本当・・・か?」
「うん。
さすがに、ちょっと深くやりすぎた俺が悪いだけだし・・・。
でも、印が無いものとされたみたいで――」
さらりと首元を撫でられる。
首元は一番濃く残るキスマーク。