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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です

「ちょっと気になるな・・・・。あのクロがそこまで注意深く言うとは――」

俺はクロから受け取った鞄を持ったまま、校内を徘徊していた。

クロと別れた後、俺はすぐに1年生の靴箱で履き替えると案内に沿って体育館内にある新入生控室に向かっていた。
しかし、道中の渡り廊下から見えた外庭の桜に惹かれてしまい、どうしても気になってしまったのだ。

中庭も花壇とかで凄く綺麗だったが、あそこは逆に木々が多いんだろうな・・・。

「ここから見ても桜が綺麗だ・・・」

俺は携帯で時間を確かめると、ポケットに突っ込んで小走りに走り出した。

通り過ぎる1年の教室はもちろん入学式があるため静かだ。
2・3年の教室は入学式の準備があるため騒がしいほどではない。

度々すれ違う生徒に好奇の目を向けられるのに、俺は気づかない。

「結構広い・・・・」

巨大スクリーンを使った視聴覚室。
見たことの無い実験器具がある理科室。
大きな本棚に詰め込まれた、たくさんの本がある図書室。

どの施設も十分すぎるほど整っており、中学校とは桁違いだ。

圧倒されながらぺたぺたと上履きを鳴らし外庭へ続く廊下を進むと、空き教室が目に入った。
今までの教室とは違って、物置なのか机やらダンボールやらが散乱している。

「散らかってるな・・・」

興味本位でドアに手をかけてみると、すんなり開いた。

「お・・・・」

ガラガラと音をたてて中に入ると、ふわっと香るタバコの匂い――

タバコ・・・?
校内で・・・?

前に目を向けると、そこには明らかに荒れた風貌の男子生徒2人がいた。
充満する煙たい匂いと共に見えた2人は制服を着崩し、古いソファに凭れながらタバコをのんびりと吸っていた。

髪は金髪と黒髪。
首にはシルバーアクセサリー。

2年生だと示すように、胸元には学年色の青のピンバッジ。
そして、白い肌に、細長い眉と綺麗な目。

モデルのようにも見えるが、明らかに不良・・・。

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