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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です
「え、えーっと・・・」
「何、なんか用か?」
「いや、その・・・」
ど、どうしよう。
興味本位で入ってしまったのが駄目だった・・・。
たじたじで喋る俺を見て、金髪の人が近づいてきた。
「お前、1年か――」
「は、はい・・・」
さらりと俺のピンバッジに触れ、覗き込む様に顔を近づけてきた。
視線の先でシルバーアクセサリーが揺れる中、触れてくる手にビクッと体を震わせる。
ふわ―――と鼻腔をくすぐるタバコの匂いに、微かに混じる香水。
タバコは臭いけど、隠れるこの匂いは少し甘くて良い匂いだ。
「慈(ケイ)・・・その子ビビっちゃってるよ」
「あ、すまん」
慈と呼ばれた金髪の人がすぐに顔を離すと、今度は黒髪の人が近づいてきた。
「ごめんね・・・怖かったよね」
そう言うと、優しく俺の頭を撫でた。
手、大きい・・・。
普段クロから触れられる手とは少し違い、掌が大きくて、指に付けられているであろうアクセサリーの質感を感じた気がした。
「い、いえ」
優しそうな先輩で安心した俺は顔を上げた。
「楓(カエデ)、なんでお前だけ怯えられないんだよ」
「それは慈と違って優しいですから」
にこっと微笑む黒髪の楓先輩。
「お前、名前は?」
不器用そうに訊いてくる慈先輩。
「九条斎です」
「斎か。迷子か?」
「あ、いえ、違くて・・・」
外庭が気になって向かっていたらここの教室が気になって来た、なんて言えないし・・・。
何て言えば――。
口を噤んでいると、楓先輩が口を開いた。
「九条斎・・・。
あ、もしかしてあの九条グループの人?」
「あ、はい。そうですが・・・」
「へえ。あの九条グループの人が普通の私立校に・・・」
「俺、家のことで特別扱いとか受けたくないので・・・。それでです」
「そうなんだ。
斎は、良い子なんだね」
再び大きい手で優しく撫でられる。
「何、なんか用か?」
「いや、その・・・」
ど、どうしよう。
興味本位で入ってしまったのが駄目だった・・・。
たじたじで喋る俺を見て、金髪の人が近づいてきた。
「お前、1年か――」
「は、はい・・・」
さらりと俺のピンバッジに触れ、覗き込む様に顔を近づけてきた。
視線の先でシルバーアクセサリーが揺れる中、触れてくる手にビクッと体を震わせる。
ふわ―――と鼻腔をくすぐるタバコの匂いに、微かに混じる香水。
タバコは臭いけど、隠れるこの匂いは少し甘くて良い匂いだ。
「慈(ケイ)・・・その子ビビっちゃってるよ」
「あ、すまん」
慈と呼ばれた金髪の人がすぐに顔を離すと、今度は黒髪の人が近づいてきた。
「ごめんね・・・怖かったよね」
そう言うと、優しく俺の頭を撫でた。
手、大きい・・・。
普段クロから触れられる手とは少し違い、掌が大きくて、指に付けられているであろうアクセサリーの質感を感じた気がした。
「い、いえ」
優しそうな先輩で安心した俺は顔を上げた。
「楓(カエデ)、なんでお前だけ怯えられないんだよ」
「それは慈と違って優しいですから」
にこっと微笑む黒髪の楓先輩。
「お前、名前は?」
不器用そうに訊いてくる慈先輩。
「九条斎です」
「斎か。迷子か?」
「あ、いえ、違くて・・・」
外庭が気になって向かっていたらここの教室が気になって来た、なんて言えないし・・・。
何て言えば――。
口を噤んでいると、楓先輩が口を開いた。
「九条斎・・・。
あ、もしかしてあの九条グループの人?」
「あ、はい。そうですが・・・」
「へえ。あの九条グループの人が普通の私立校に・・・」
「俺、家のことで特別扱いとか受けたくないので・・・。それでです」
「そうなんだ。
斎は、良い子なんだね」
再び大きい手で優しく撫でられる。