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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です
「え、あっ・・・」
「怖がらなくても大丈夫。
こっち、向いて?」
細くて白い指で俺の顎を上げる。
「楓、先輩」
咄嗟に危険を感じてその指を掴むが、すぐに丸め込まれる。
「い、行かないと」
顔を背け抜け出そうとすると、先ほどより強い力で半ば強引に顔を向かされる。
「いっ・・・」
「駄目でしょ」
目の前には楽しそうに笑う目元と、さっきとはうって変わった冷え切った声音が聞こえた。
ゾっと背筋が凍った気がした。
痛い。
怖い。
何で・・・。
向かされた先の瞳に吸い込まれそうになる。
揺れる視界では瞳しか見えないはずなのに、クロを思い出して、自分勝手に助けをせがんでいた。
クロ以外の人にここまで近づかれるのは初めてでどうしていいか分からない。
何故か、体が動かない。
時間を忘れて互いに見詰め合っていると、乱暴に慈先輩に上履きと靴下を脱がされた。
「こっちも忘れんな、斎」
慈先輩はちゅ。と俺の脚に口付けをした。
「えっ・・・!」
思わず変な声が出て口をつぐむ。
「ふふ・・・。斎の声、かっわいい・・・・」
楓先輩の口が近づき、首筋にキスされる。
ちゅう―――
「ん・・・・」
するすると口が俺の唇へと動く。
どうしよう、抵抗できない。
どうしたらいい。
どうしたら。
そう感じている間に、京先輩は俺のシャツをめくりお腹に、ちゅう。ちゅう。と小さなキスマークをいくつも付けていっていた。
「いったッ・・・慈せんぱい・・・何してっ!」
「斎、お前可愛すぎ」
照れ隠しで顔を隠そうとすると、シュルルと俺のネクタイを抜き手首を手際良く縛った。
「隠しても駄目」
「楓せんぱい、なんでっ・・・」
どろどろと視界が溶けていき、先輩のキスを受けて入れてしまいそうなとき――
バンッ―――
と大きな音をたてて教室のドアが開いた。