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執事はお嫌いですか?
第2章 主人の執事は先輩です
「ご、ごめんなぁ・・・ぁさい・・・・」
「ふふ。よくできました」

俺はぱっと手を離して、体を自由にさせる。
起き上がる斎は涙目で俺を睨んでいる。

「こ、この・・・変態執事!」
「どうとでも言って下さい」
「うぅ・・・」

悔しげに呻く斎にクスリと笑い、俺はメガネを割った手を見る。

思わずメガネ割ってしまったが、これから教室戻らないといけない・・・
メガネないと不自然だな・・・

手を擦って考えていると、もそもそと斎が近づいてきて俺の手をとった。

「斎――・・・?」
「痛そうだし・・・ちょっと待ってて」

そう言うと、斎はベットから降りて保健室の棚をあさり始めた。

「あ、あった・・・」

手には救急箱。

俺に近寄り、包帯と消毒液を取り出すと、小さな傷だらけの手に不器用そうに吹きつけ、巻きつける。
慣れていないのか、巻きつけた包帯はダボダボだ。

「・・・しみないか・・・」
「大丈夫です・・・」

きゅう。と絞め、小さなリボンを作る。

「お、俺のせいで・・・ごめん・・・
メガネは弁償する・・・」

後片付けをしながら斎は言う。

「・・・大丈夫です。執事は、主人を守るのが役目ですから。
それに弁償なんていいです。安いものですし」
「い、いや。弁償する。
今度、一緒に選びに・・・・行ってやる・・・から・・・」

斎は真っ赤にした顔を隠すように、手を顔に当てる。

キュン―――

・・・この主人は少々可愛すぎますね・・・・

「斎くん、襲ってもいいですか・・・」
「や、やめろ・・・!」

俺は斎の制服を整えると、華奢な手を握って保健室を出る。
ほっぺを膨らませながらそっぽを向いている斎を横目に、俺はなぜか幸せを抱いていた。







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