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執事はお嫌いですか?
第3章 主人と執事の難問距離問題
「――・・・京と楓は家が近くて、幼稚園から今に至るまで学校も一緒だったし小学生までは仲良かった。

けど、中学に上がってから道外れだして・・・
タバコ吸うし、授業には出ない。

夜遊びまで仕出したんだよね――・・・・

まぁ・・・そこまでは別に人の道だし口出しはしなかったけど――・・・」

呆れ顔をしながらカップを見つめると、はぁ・・・とため息をつく。

「何があったか知らないけど外れだしてから次第に人のモノ、手出すようになって・・・」
「モノ?お菓子とか、おもちゃとか・・・?」

俺は春に毎年、誕生ケーキのイチゴ取られて悔しい思いをしているけど・・・・
あとは、好きだった毛布とか・・・

「はは。そんな甘いもんじゃないよー・・・」
「じゃあ何だよ・・・」
「人だよ。人・・・

例えば―――俺の彼女・・・。とか・・・?」
「・・・・―――え、いや、へ・・・?」

言っていることと真逆に平然と笑顔のクロ。

思わず、きょとん。としてしまう。


人―――


彼女―――


クロの・・・・・・?

「く、クロ付き合ってたのか・・・?」
「ううん。中学時代の話。
その子とはそれが原因で別れちゃったんだよね・・・

でも、その子京と楓に惹かれていっていたみたいで、結局別れるのが早くなっただけだったみたい・・・」

クロは、ははは・・・と自嘲気味に笑い、一口コーヒーを飲むとふう。と息を吐いた。

別れたのか――・・・
それなのになんでそんなにヘラヘラ笑って・・・・

でも、なぜか少し安心している自分もいる。
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