この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
執事はお嫌いですか?
第4章 主人と執事の迷想
―――引っ張られるがままに連れてこられたのは、人通りの少ない踊り場だった。

「あの離して・・・」

他の人がいない。と少し乱暴めに手を振り払おうとする。

「榊先輩助かって良かったですね」

それでも外れない手は、俺を引き寄せた。

「助けてもらったのはいいんですが、面倒なことになりましたけどどうしてくれるんですか・・・」

正面にならないように顔を避ける。

斎以外の人とキスは絶対しない・・・。
したくない・・・。

さっきのは不可抗力に入るだろうか・・・?

「でも助かったからいいじゃないですかー」
「よくない・・・」

面倒なことが面倒なことを呼んで、何がいいんだ。
明日から変な噂をたてられるのは目に見えている。

別にメガネのことや傷のことはいい。

だが、誰かとの恋愛バナシなんて斎の耳に入れたくない。
絶対に。

俺とは間逆でニコニコと笑う助け人のネクタイは緑色・・・・1年生の学年色だ。
まだ中学生のあどけなさが残る顔。
それと違って力のある手は、ぎゅっと俺の手を捕まえて離さない。

「キスはやめてほしかった・・・」
「すみません。でもあの方法しか思いつかなかったので」
「じゃあ流してくれてもよかったです・・・・」

この助け人は天然なのか。それともただの阿呆なのか。

「俺、待ち合わせしてる子がいるからそろそろ帰りたいんだけど・・・」

斎待っててくれているかな・・・。

なんだかんだ言って俺のことを気にかけて、照れて、怒ってくれる斎は可愛い。
今日も斎の顔やふとした仕草を気にかけて、ゆっくりと話して帰りたい。

「えー・・・。もうちょっと榊先輩と話したかったんですが・・・残念です」

屈託の無い残念そうな顔をして、手は離された。

やっと開放された・・・。

「・・・でも、色々助かったので――。ありがとうございました」

助け人はもしかしたら天然なのかもしれない。と決め付け、安易に許した。

やばい・・・もう20分経ってる・・・

腕時計に目をむけ、俺は頭を下げて、廊下を駆け出した。

「あ、はい」

まだ名残惜しい。というように返事をする助け人は、「また」と小さく呟いていた。
/143ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ