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執事はお嫌いですか?
第4章 主人と執事の迷想
「はい。
こちらに来る前には斎様のご両親様には一通りご説明しましたが、斎様には今まであまり話していなかったことはやはりお仕えする身、一緒に暮らす身として壁があると思いまして、お呼びしました。

それに、訊いてきても宜しいのに斎様は全くと言っていいほど私の情報を探ろうとしてきませんし・・・。
別に何も隠すことは無いですから、訊いてきてもいいんですよ?」
「う、うん・・・・」

訊けなかったのは、完全にこの性格とあまり詮索してはいけないという自己満足な気遣い。

クロのことはもっと色々知りたいし、一応距離は縮めたい。とは思ったり・・・思わなかったり・・・・

ただただ訊くのが、照れくさいのもある。

「俺は・・・クロのこと知りたい・・・」
「はい。何でも訊いてください。
私は斎様のものですから」

優しい手で俺の頭を撫でると、そっとおでこにキスをしてきた。
俺は早く離れてくれないか。と願いながら、目をぎゅっと瞑るだけ。

拒みはしなかった。

「もうキスは慣れっ子ですね」
「うるさい・・・」

手で肩を離して距離をとって顔が見られないようにした。
ほころぶ顔が見られないように。

内心すごく嬉しくて。
訊いて。と。俺のものだと。

あの、二人で過ごした休日のときのように「斎がいるから十分幸せ」と言ってもらったときと同じように、じわじわと嬉しさと照れくささがにじむ。


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