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執事はお嫌いですか?
第4章 主人と執事の迷想
「じゃ、じゃあ取り合えず基本的なとこから・・・
クロは、どうやってここに来たんだ?」

母さんたちはクロと面識があるっぽいし、ここに来た理由に何か関わっているだろう。
でも、母さんの手紙には詳しく書いていなかったから謎なんだし・・・。

「私は、アルバイト紹介所という場所で斎様のお母様たちに雇われてここに来ました。
先日、アルバイトとして来た。と説明しましたよね」
「あぁ・・・でも紹介所って・・・?」

一瞬あの日あったことを思い出し熱が滲むが、平常心。と追いやった。

「それはですね。
執事以外にも、雑務やコンビニアルバイトなど普通のものもあるんですが、丁度選んでいるときに斎様のお母様にお会いしました。

ぜひ、私に執事をしてくれないか。と」

そういえば手紙に、“アルバイト紹介所から”って書いてたっけ・・・
それにこの仕事もアルバイトだと訊いた。

でも――

「なんでアルバイト紹介所何かに母さんが・・・?」
「働けそうな人を見に来たそうです。
いらっしゃる前に、書類も作って募集してましたし・・・・。

そういえば、この方法での募集に至ったのは、ベテラン執事はつまらないから。という理由だったかと」
「つまらない・・・・?」
「はい。
それと、お手紙にも書いてありましたが、“健全な男子高校生とメイドを一つ屋根の下に置けない”という理由もあります」
「そ、そうか・・・・」

納得できたような、できていないような。

まず、母さんが何を考えているか真面目にわからなくなった。ということだけだ。
帰国する予定なんて今は全く無いだろうし、メールも忙しいから気使うし・・・。
またの機会に色々と訊くしかないな・・・・。

「まあ、大体はわかったんだが・・・・。
クロは私立に通えているほどの経済があるのに、なんでアルバイトなんだ・・・?
しかも、高校三年という微妙な時期に」
「あ、それは理由があります」

あっさりとした口調で応えると、クロは突然変なことを言い出す。


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