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執事はお嫌いですか?
第4章 主人と執事の迷想
「そういうところが可愛いんでしょうけどね・・・」
「何のことだ?」

クロは俺の髪を優しく撫でる。
俺は、一つ欠伸をした。

「そろそろ時間ですし、斎様は寝てください」
「クロは寝ないのか?」
「私は色々とやることがありますので」

立ち上がり、学校の鞄から出すのは筆記用具と教材。

「一応受験生なので・・・」
「あ、そうか」

俺は入学したばかりだが、クロは今年で3年。卒業だ。
このまま就職する道もあるが、大学へ行く選択肢もある。
どうやら、クロは受験選択らしい。

「クロはセンター試験受けるんだな」
「はい。今のところですが・・・。
実際悩んでるところです・・・・なにせ目標がないので、大学へ進んでも学科を決めないといけないですし・・・」

何したいんでしょうねー・・・とクロはぼやくと、1枚の紙を見た。

「何だそれ」
「卒業後の進路調査の紙です。
これに大学へ進むか、就職するか書いて提出するんです」
「クロは、もう一学期で決めたのか?」
「いえ。
今後も何回か書いて提出します。その間に自分が本当にそれでいいか決めて、先生と話し合って最終的に決めます。

私はかなりあやふやなので・・・。
斎様はまだ1年生ですが、決めていますか?」
「んー・・・」

まだ実感がない。と言われれば、嘘じゃない。

というより、まだ今にあまり慣れてない。というか・・・。

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