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執事はお嫌いですか?
第5章 主人と執事とお客さんと
「クロがそこまで過保護にならなくても俺は大丈夫だし・・・。
それに、泊まりにくる奴は男――付き合いも長い。
下心なんて無いだろ」
「そうなんでしょうか?」
「ん。
あと、クロにあまり心配はかけたくないし・・・。
アルバイトなんだから、そこまで過保護にならなくてもいいんだぞ?」
カップに手をつけ飲むと、ふう。と一息ついた。
ふわっと広がるあたたかい甘味に頬を緩ませる。
その姿をじっとクロは見て、少し俯かせた。
「別に私が好きで妬いているだけです・・・
斎のアホ・・・」
「・・・この紅茶美味しい。クロこの紅茶どこで買ったんだ!」
「――・・・普通の近所のスーパーで売っていたものです・・・。
別に高級だから、市販より美味しい。といっても、淹れ方で結構変わるものなんですよ、鈍感主人様」
意味わからず、やれやれと首を振って馬鹿にしたような呆れたような、そんな顔を俺に向けてきた。
「鈍感は余計だ・・・!」
「事実を述べただけです」
「ん~~!」
ムカっときたが、ここは平常心平常心・・・。
勝算も無いのだから、朝から無駄な体力は使わないことに決めた。
「斎様。早く食べてしまわないとご友人様が来られるのではないですか?
毎度ながら、味わって食べていただくのは有難いのですが、ご自分の部屋などの整理はご自身でなさると思い、何もしていませんが・・・
済んでいるのか私、少々気になって、私がやっておいたほうがよかったのかと・・・」
「わかってるし、大丈夫!食べて、今からやるし!」
丁寧に塗られた食パンを口にしてもぐもぐとする俺を、「そのようですね」と優雅に笑うクロ。
変わらない朝が今日も過ぎていった。
「ご馳走様でした」と口にして、席を立って歯磨きを済ませると自室へ戻る。
無駄なものは何もない、クロの部屋とあまり大差ないシンプルな部屋を見渡す。
先にやろうと思っていたことをクロに先に言われて、親の言うことをきいている子供のような気分になったが、取り合えずは片付けしないと。と行動に移した。
まずは、壁一面の本棚の整理から始めた。
両親からもらった本や、参考書。
他は、アルバムやらなんやら。全く手をつけてないものまで。
取り出す度にうすくかぶった埃を掃う作業を繰り返す。
こんなものまであったっけ・・・という懐かしいものまで片付けると出てくる。
それに、泊まりにくる奴は男――付き合いも長い。
下心なんて無いだろ」
「そうなんでしょうか?」
「ん。
あと、クロにあまり心配はかけたくないし・・・。
アルバイトなんだから、そこまで過保護にならなくてもいいんだぞ?」
カップに手をつけ飲むと、ふう。と一息ついた。
ふわっと広がるあたたかい甘味に頬を緩ませる。
その姿をじっとクロは見て、少し俯かせた。
「別に私が好きで妬いているだけです・・・
斎のアホ・・・」
「・・・この紅茶美味しい。クロこの紅茶どこで買ったんだ!」
「――・・・普通の近所のスーパーで売っていたものです・・・。
別に高級だから、市販より美味しい。といっても、淹れ方で結構変わるものなんですよ、鈍感主人様」
意味わからず、やれやれと首を振って馬鹿にしたような呆れたような、そんな顔を俺に向けてきた。
「鈍感は余計だ・・・!」
「事実を述べただけです」
「ん~~!」
ムカっときたが、ここは平常心平常心・・・。
勝算も無いのだから、朝から無駄な体力は使わないことに決めた。
「斎様。早く食べてしまわないとご友人様が来られるのではないですか?
毎度ながら、味わって食べていただくのは有難いのですが、ご自分の部屋などの整理はご自身でなさると思い、何もしていませんが・・・
済んでいるのか私、少々気になって、私がやっておいたほうがよかったのかと・・・」
「わかってるし、大丈夫!食べて、今からやるし!」
丁寧に塗られた食パンを口にしてもぐもぐとする俺を、「そのようですね」と優雅に笑うクロ。
変わらない朝が今日も過ぎていった。
「ご馳走様でした」と口にして、席を立って歯磨きを済ませると自室へ戻る。
無駄なものは何もない、クロの部屋とあまり大差ないシンプルな部屋を見渡す。
先にやろうと思っていたことをクロに先に言われて、親の言うことをきいている子供のような気分になったが、取り合えずは片付けしないと。と行動に移した。
まずは、壁一面の本棚の整理から始めた。
両親からもらった本や、参考書。
他は、アルバムやらなんやら。全く手をつけてないものまで。
取り出す度にうすくかぶった埃を掃う作業を繰り返す。
こんなものまであったっけ・・・という懐かしいものまで片付けると出てくる。