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執事はお嫌いですか?
第5章 主人と執事とお客さんと
「窓、もうちょっと開けよう・・・」
このあつさをどうにかしたくて、もうひとつ。と部屋の窓を開けた。
窓の格子を握り、庭を見ていると、ふわっと風が吹いて屋敷の周りに植えられた桜の木からひらひらと小さな花弁が入ってきた。
「綺麗ですねー」
「ん・・・」
生まれたときから見る、屋敷の桜は毎年この時期は満開に近いくらい多く花を開かせる。
掃除も大変そうだし、散ったあとの虚しさはあるけど、このときにしか見られない光景は小さい頃から大好きだった。
「クロ、最近桜がすごい散るが、大丈夫なのか?」
質問を投げかけると、スタスタと俺に寄り添って笑うクロ。
「ご心配しなくても大丈夫ですよ。定期的に掃除をしていますから」
「そうか・・・」
クロ1人じゃ申し訳ない感もあるし、やっぱり俺もいつか手伝おう・・・
そんなことを考えていると、クロがいきなり手を頬に添えてきた。
突然の人の熱を感じ、ぴくっと肩が上がった。
「何・・・」
「いえ・・・映えるなぁ・・・と」
しゃがんで目線を合わせてくると、そっと人差し指で唇を撫でてきた。
逃げられない・・・
「綺麗なピンク色ですね――」
「んっ・・・」
「キス・・・・してもいいですか?」
トク――と一気に頭に血が上って、今にも体が熱々になってしまいそうだった。
キスは駄目といった。
けど、人前では。
それに、春が来たらこういうことはやめろ。と言った。
でも、春はまだ来ていない。
「キス・・・したいです」
注意したことを守ろうとしてくれているのか。
クロなりの気遣いなのか。
それとも、それを逆手にとって意地悪をしているのか・・・。
「えっと・・・・」
視線を逸らして目を合わせないようにすると、くい。と顔を向かせられた。
「く、クロどうし――・・・」
「私が考えていた休日の埋め合わせ、してください・・・」
そう言うと、おでこにちゅう。とキスを落とした。
このあつさをどうにかしたくて、もうひとつ。と部屋の窓を開けた。
窓の格子を握り、庭を見ていると、ふわっと風が吹いて屋敷の周りに植えられた桜の木からひらひらと小さな花弁が入ってきた。
「綺麗ですねー」
「ん・・・」
生まれたときから見る、屋敷の桜は毎年この時期は満開に近いくらい多く花を開かせる。
掃除も大変そうだし、散ったあとの虚しさはあるけど、このときにしか見られない光景は小さい頃から大好きだった。
「クロ、最近桜がすごい散るが、大丈夫なのか?」
質問を投げかけると、スタスタと俺に寄り添って笑うクロ。
「ご心配しなくても大丈夫ですよ。定期的に掃除をしていますから」
「そうか・・・」
クロ1人じゃ申し訳ない感もあるし、やっぱり俺もいつか手伝おう・・・
そんなことを考えていると、クロがいきなり手を頬に添えてきた。
突然の人の熱を感じ、ぴくっと肩が上がった。
「何・・・」
「いえ・・・映えるなぁ・・・と」
しゃがんで目線を合わせてくると、そっと人差し指で唇を撫でてきた。
逃げられない・・・
「綺麗なピンク色ですね――」
「んっ・・・」
「キス・・・・してもいいですか?」
トク――と一気に頭に血が上って、今にも体が熱々になってしまいそうだった。
キスは駄目といった。
けど、人前では。
それに、春が来たらこういうことはやめろ。と言った。
でも、春はまだ来ていない。
「キス・・・したいです」
注意したことを守ろうとしてくれているのか。
クロなりの気遣いなのか。
それとも、それを逆手にとって意地悪をしているのか・・・。
「えっと・・・・」
視線を逸らして目を合わせないようにすると、くい。と顔を向かせられた。
「く、クロどうし――・・・」
「私が考えていた休日の埋め合わせ、してください・・・」
そう言うと、おでこにちゅう。とキスを落とした。