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執事はお嫌いですか?
第5章 主人と執事とお客さんと
「実は少し前なんだけど、俺の両親が海外に行くことになって今、クロに執事をしてもらってて・・・」
「ほ、ほお・・・」
「クロが学校の先輩だってことは俺も最初耳に入ってなかったし、校内で噂になるような人だとも全然知らなくて・・・
知ったのは入学式なんだ・・・」
少し冷や汗を背中に浮かべて、春の顔を伺う。
これで納得してくれたら――
「――そう・・・だったんだ・・・」
春は、なるほど~・・・と妙に納得した顔して、俺の後ろに立つクロを見つめた。
それに対し、クロは薄い愛想笑いを浮かべるだけだった。
俺はその様子にほっと一息。
「でも、何で榊先輩?」
「それは母さんの紹介やら何やらで・・・・すごくややこしいからあまり話したくない・・・」
俺は安心した顔をしかめ、口を噤む。
するとそれを見てか春は笑みを浮かべて、
「そっか・・・ならいいよ。斎が話したくないんだし・・・
取り合えず、斎が一人暮らししてなくてよかった・・・榊先輩なら、何か安心だし――」
となぜか安堵の息をついた。
まあ、春がすんなり話をわかってくれるのはいいのだけど――・・・
「何だよ、“してなくて”って」
「だって斎何もできないでしょ~?」
「うっ・・・」
それはそうだけど・・・
「な、何もっていうわけでは・・・」
「料理もできないでしょ?」
「うっ」
「洗濯も掃除も」
「うっ~・・・」
「絶対一人にしたらそのまま部屋で行き倒れるタイプだし」
「・・・・・」
普段ぽーっとしてて子供っぽい春に、そのことを口に出されると、それはそれで何か悔しい様な痛いとこを突かれたというか・・・
昔からの知り合いというのは、こうも手ごわいものなのか・・・
「ホント榊先輩でよかった・・・
榊先輩、お世話になります」
「いえ。
私は楽しんでやらせてもらっていますので」
保護者面で笑いあう二人に俺は、ただただ頬を膨らませて見ることしかできない。
「俺は小学生じゃないぞ・・・!」
「小学生並みの生活力しかないじゃないですか」
「斎、根拠もなく言い返すのはよくないと思うよ~」
「春だけには絶対言い負かされたくない・・・!」
「あ、私はいいんですね」
散々言い負かされていますもんねー。とクロは俺の頭を撫でた。
「ほ、ほお・・・」
「クロが学校の先輩だってことは俺も最初耳に入ってなかったし、校内で噂になるような人だとも全然知らなくて・・・
知ったのは入学式なんだ・・・」
少し冷や汗を背中に浮かべて、春の顔を伺う。
これで納得してくれたら――
「――そう・・・だったんだ・・・」
春は、なるほど~・・・と妙に納得した顔して、俺の後ろに立つクロを見つめた。
それに対し、クロは薄い愛想笑いを浮かべるだけだった。
俺はその様子にほっと一息。
「でも、何で榊先輩?」
「それは母さんの紹介やら何やらで・・・・すごくややこしいからあまり話したくない・・・」
俺は安心した顔をしかめ、口を噤む。
するとそれを見てか春は笑みを浮かべて、
「そっか・・・ならいいよ。斎が話したくないんだし・・・
取り合えず、斎が一人暮らししてなくてよかった・・・榊先輩なら、何か安心だし――」
となぜか安堵の息をついた。
まあ、春がすんなり話をわかってくれるのはいいのだけど――・・・
「何だよ、“してなくて”って」
「だって斎何もできないでしょ~?」
「うっ・・・」
それはそうだけど・・・
「な、何もっていうわけでは・・・」
「料理もできないでしょ?」
「うっ」
「洗濯も掃除も」
「うっ~・・・」
「絶対一人にしたらそのまま部屋で行き倒れるタイプだし」
「・・・・・」
普段ぽーっとしてて子供っぽい春に、そのことを口に出されると、それはそれで何か悔しい様な痛いとこを突かれたというか・・・
昔からの知り合いというのは、こうも手ごわいものなのか・・・
「ホント榊先輩でよかった・・・
榊先輩、お世話になります」
「いえ。
私は楽しんでやらせてもらっていますので」
保護者面で笑いあう二人に俺は、ただただ頬を膨らませて見ることしかできない。
「俺は小学生じゃないぞ・・・!」
「小学生並みの生活力しかないじゃないですか」
「斎、根拠もなく言い返すのはよくないと思うよ~」
「春だけには絶対言い負かされたくない・・・!」
「あ、私はいいんですね」
散々言い負かされていますもんねー。とクロは俺の頭を撫でた。