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執事はお嫌いですか?
第5章 主人と執事とお客さんと
「ん~・・・色々食べ物、匂う」
「・・・クロ、こんな人ごみの中で食べるのか・・・
ゆっくり食べられる気がしない・・・」
「・・・外のバルコニーで食べましょう。
私も疲れてしまいそうです」

春は、お腹をさすりながらチラチラと周りを見て俺の手を引っ張り笑いかけた。
それに対して俺は人混みに若干うんざりしながらも、春に笑い返した。

「春は本当にハンバーガーでいいのか?
別に、俺に付き合わなくてもいいんだぞ・・・?」

素通りする店舗を楽しそうに見る春に、俺は手を引いて訊ねた。

久しぶりに遊べているわけだし、今日は春は客として来ている。
楽しんでもらわないと・・・
色々と手をまわしておかないとな・・・

そっと、心に決める。
春は、そんな俺の姿を見て悲しむ様な、呆れた様な顔をしていた。

「なんでそんなこと言うかなぁ・・・斎・・・」
「何が・・・?」
「いや、気、緩んでくれたっていいのになぁ・・・て」

どこかを見つめて春はぽつりと小さく呟いて、再び口を開いた。

「――ハンバーガーは俺が付き合いたいからいいよ。
斎と一緒に出かけて昼食とるなんて久しぶりだから、また前みたいに同じもの頼んで食べたいだけ」
「そうか・・・?」
「うん」
「なら、いいんだが・・・」

先ほどの顔とは一変して優しい笑いを向けてくれる春に、俺はほんのりと疑問が浮かんだ。

何か、いけないこと言ってしまったか・・・?

逆の位置にいるクロも見てみると、クロも春と同じ様な顔をしていて、俺の視線に気づくと表情を緩めた。

「――春様。お食事中、もっと斎様のこと教えてください。
今のお二人の会話で、かなり興味を持ちました」

クロは、足を進めながら春の顔を見た。
春は、驚いた顔を一瞬すると、笑顔になった。

「何の話、聞きたいですか・・・?」
「そうですね~・・・

私が斎様と出会ったのは、まだ数週間前ですので、知らないことがたくさんあって・・・。
ぜひ、春様と斎様が出会ったときから教えてください。
よろしいでしょうか・・・?」
「はい・・・!語りつくせないほど、たくさん面白い話ありますよ」
「ぜひ・・・!」

「え、ちょ・・・!」

急に、先ほどとは真逆のふわふわとした空気を出しながら、俺の話を始める2人は手を引き、全国チェーンのハンバーガーショップに向かう。

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