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第11章 正真正銘の愛。

「おい、梓。
買ってきたぞ」

「圭ちゃん有難う」

「本当に好きだな。
ビターチョコレート」

「飽きない味だから」

「赤ちゃん産んだからって、
気をつけないと太るぞ」

「もう、脅さないでよ！」

「脅しじゃない」

「翔太は大丈夫？」

「男同士仲良くしてます。
時折、喧嘩になるけどな。
まぁ、仕方ないさ」

「宜しくお願いしますね」


私が結婚して一年半が経ち、
子供を授かった。
私は愛する人の子供を生んだ。
病室で私の隣に眠る我が子。
出産が終わり、見舞う圭介。


私はママになれた。


「それにしても
結愛（ゆうあ）は可愛いな」

「待望の女の子ですもんね」

「可愛くて、
今から嫁に出せないとか言う、
親バカになりそうだ」

「結愛とパパの取り合いしちゃうのかな？」

「梓は甘えん坊だからな」

「圭介さんは私のものよ」

「今から娘に嫉妬してどうする？」


私の夫 堀内圭介は笑う。

運命とは不思議な縁を運んでくる。



私達の娘、名前は結愛（ゆうあ）

結ぶ愛と書いて結愛。

あの日、
駅で私に声を掛けたのが、
後に夫となる堀内圭介だった。

こんなまさかの縁に、
当人もびっくりしている。


私自身の人生に、こんな運命のサプライズが、
用意されているなんて、思いもしなかった。