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大蛇
第16章 新たなミューズ
*
「オルガが男と駆け落ちしただと?」
ピストールは声を荒らげた。
「ああ。大佐が言っていたから間違いない。
僕が思うに、相手は大佐の部下のルロイ・ソガという男だ。
最近社交界で、左遷されたと噂になっていたからね」
ドナシアンは涼しい顔でそう話した。
「なるほどな。ルロイ・ソガも、既婚者らしいぜ。
大佐の紹介で、アンヌっていう若い女と結婚したんだよな」
「そうらしいね。
でも、アンヌはレズビアンで有名なルナールと親密で、
アンヌ自身もレズであることを疑われているとか」
ドナシアンは含みのある笑みを浮かべた。
「ふうん、仮面夫婦ってやつか」
ピストールは腕組みしていた手を解き、煙草に火をつけた。
「今度の標的は、アンヌ・ソガ夫人かな」
ドナシアンは何気ない風にそう言った。
「標的って、どういうことだよ」
「彼女を僕たちの新しい『ミューズ』にするんだよ」
「おいおい、相手はレズビアンだろ。男は無理じゃないか」
「無理なら、無理やりにでもモノにすればいい。
少しくらい反発される方が、落とし甲斐があるというものだよ」
ドナシアンはほくそ笑んだ。
「お前も悪い男だな」
紫煙をくゆらせるピストールも、口の端を上げた。
「オルガが男と駆け落ちしただと?」
ピストールは声を荒らげた。
「ああ。大佐が言っていたから間違いない。
僕が思うに、相手は大佐の部下のルロイ・ソガという男だ。
最近社交界で、左遷されたと噂になっていたからね」
ドナシアンは涼しい顔でそう話した。
「なるほどな。ルロイ・ソガも、既婚者らしいぜ。
大佐の紹介で、アンヌっていう若い女と結婚したんだよな」
「そうらしいね。
でも、アンヌはレズビアンで有名なルナールと親密で、
アンヌ自身もレズであることを疑われているとか」
ドナシアンは含みのある笑みを浮かべた。
「ふうん、仮面夫婦ってやつか」
ピストールは腕組みしていた手を解き、煙草に火をつけた。
「今度の標的は、アンヌ・ソガ夫人かな」
ドナシアンは何気ない風にそう言った。
「標的って、どういうことだよ」
「彼女を僕たちの新しい『ミューズ』にするんだよ」
「おいおい、相手はレズビアンだろ。男は無理じゃないか」
「無理なら、無理やりにでもモノにすればいい。
少しくらい反発される方が、落とし甲斐があるというものだよ」
ドナシアンはほくそ笑んだ。
「お前も悪い男だな」
紫煙をくゆらせるピストールも、口の端を上げた。