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大蛇
第4章 色欲の問答
しばらくすると、ルロイはペニスをぬぐい、褥の下に落ちていた服をかき集めて身に着けた。
オルガはガウンを羽織り、清々しい表情で彼を見ていた。
「あなたはこれで、新しいルロイ・ソガに生まれ変わったわ。もっと快楽に素直になりなさい。私に言えるのはそれだけよ」
オルガは落ち着き払った様子でルロイにそう告げた。
「またお会いできますか」
ルロイは熱っぽい声で言った。
「さあ、わからないわ。私、もうあなたに興味を無くしちゃったから」
オルガの一言に、ルロイの心は打ち砕かれた。
彼にとっての「始まり」は、彼女にとっては「終わり」だったのだ。
そのすれ違いに悲しくなり、ルロイはとぼとぼと窓辺へ向かった。
もう日の出も間近だ。そろそろ戻らねば。
「世の中には星の数ほど女がいるのよ、ルロイ。明日にでもあなたは新しい娘と出会い、私のことなんか、そのうち思い出さなくなるわ」
ルロイはオルガの言葉が信じられなかった。
彼は既にオルガに骨抜きにされていたのだ。
「さようなら、楽しかったわ」
何の後悔も未練もないオルガは、ルロイを窓の外に追い立て、ぴしゃりと窓を閉じた。
ルロイは名残惜しそうに彼女の姿を追おうとしたが、オルガは分厚いカーテンを閉めてしまった。
仕方なく彼は屋敷を後にし、行為の後の火照った体を持て余しながら、のろのろと自宅に戻った。